この教室をやる事になってから生徒の発表の機会、そしてステージ経験で実践を積む事が上達のいちばんの早道でもある事からイベント運営を始める様になりました。 しかし初めから現在の様に自主イベントの運営をしようと思っていた訳ではありませんでした。 生徒をライブに出させたいと思ってもR&Bというジャンルでの難しさにまず直面しました。もちろんクラブなどでオケを使ったイベントでのライブは出来ます。しかしバンドだと嫌われます。オケでは音楽教室という立場でライブを生徒のミュージシャンとして経験。もしくは成長をと考えるとあればあれではカラオケレベルです。ウチはカラオケ教室ではありません。生徒の発表会でなく成長させるという意味で考えたら、やる方としてもやはりバンドなり生の人間と音楽をやる事で本当の意味でのミュージシャンシップを養成していからです。 アメリカでR&Bはクラブミュージックというのはあくまでひとつの顔であり。来日のアーティストがライブではバンドとコーラスをつれてくるのでも解ると思います。もういい加減気付いて欲しいと思うひとつです。生=ライブです。見ている方も、やる方もそこに楽しさが有り、そして成長があるのです。 しかし日本では残念な事に昔から、そして今でもブラックミュージック=クラブミュージック(ハコの音楽)。オケを使うという図式が強すぎます。これはしかし日本だけでなくヨーロッパの国々にも言える事ですが。自分はもともと、そのオケを作る人間でしたので、オケは否定していません。あくまでライブという事になったらバンド、もしくはDJが生でプレイする事がライブなのです。アメリカのHip Hopのアーティストは口を揃えてオケ使いでプレイしないDJは反則だと言います。 これはもう本当に昔から日本のR&Bという音楽に対しての認識のズレであり変わっていません。 しかしもっとR&Bに対して認識が低いのが大変失礼ですがお店であり、イベント運営の方でした。 クラブでバンドが難しいのであれば店などに出演させてもらおう。もちろん理解してくれる店もありましたが。自分はアメリカで音楽活動をしていました。アメリカで街のそこら中の店でライブをやっています。自分は黒人の店で演奏していました。そこでやっている様なライブを日本でやろう。 ここでひとつ考えてください。これを読んで「ここは日本だ、アメリカじゃない。」という反感がある事でしょう。それは事実です。しかしR&Bって珍しい音楽ですか?。誰も聞きたがらない音楽ですか?。これだけ日本でも売れていて、一般的に普及していて。ロックのカヴァーならいいんですか?。はっきり言います。日本人は黒人みたいに歌えない。日本人が洋楽のR&Bを歌う?。下手に決まってる。と思っていると思います。 まずJazzやクラシックならコピーやカヴァーでもいくらでも出させてもらえる店があります。ロックも例外ではありません。しかしことR&Bとなると、この日本では黄金期のモータウンや、ディスコヒットを除き、特にウチの様な現行R&Bのコピーやカヴァーが嫌われるのです。何故でしょう?。今はロックファンよりもR&Bファンの方が多いくらいでは無いでしょうか?。R&Bはガキんちょが、肉体的な愛の内容の曲を多く歌っているからでしょうか?。はっきり言います。ジャズのスタンダードだって同じじゃないですか?。肉体的な愛の事を歌っている曲が同じくらい多いじゃないですか?。でもそうじゃない歌だってR&Bにはいっぱいあります。スティーヴィー・ワンダーだけは認めるのですか?。ジャズの歌詞の意味を知らないで、R&Bの歌詞を批判するのだけはやめて欲しいと思います。ちゃんと歌詞の意味を知っているのですか?。と言いたいです。Jazzの曲はみんな知っているけど、R&Bの曲はみんな知らない。今は逆です。今流行っている曲をもうやっている。これって価値のある事だと思います。アメリカにはTop 40バンドというのがあります。六本木に黒人達がそういうセッションをしている店もあります。あっこの曲いま流行ってるよね。って感覚で十分に楽しめます。 もちろんジャズはその音楽の持つ雰囲気で知っている曲じゃなくてもオシャレで、自分もよくジャズの生演奏の店でデートしたりムードにひたったりします。 はっきり言います。自分は日本でまあまあ有名なジャズの学校に通っていました。ジャズ大好きです。楽器の生徒のレベルは高かったです。ヴォーカルもコネなどで仕事をもらったりしていました。が『?』でした。ジャズだからですか?。はっきり言います。ボーカルはウチの生徒の方が断然に上手いです。 自分はゴスペルを長い間やっていました。そこには結構上手い人達が集まっていました。自分は当時ここにいる人達が日本で一番上手いのでは?。と思った程でした。はっきり言います。声は出て圧倒されますが荒すぎます。黒人歌唱とは力みっぱなしではありません。はっきり言ってウチの生徒の方が全然上手いです。声同じくらい出ます。 そしてこんな事も言われます。コピーじゃなくてオリジナルだったらいいんだけど。はっきり言います。自分はJ-R&Bの全てを否定する訳ではありません。事実インディーに近付く程にズレのないR&Bを聞けます。しかし殆どはR&B風の歌謡曲。R&Bのライブやります。そしてオリジナルのR&Bを聞く度に残念な気持ちになります。これはR&Bじゃない。R&Bファンだからこそ、歌謡曲にされる事にがっかりするのです。日本人だからこそ、日本人が世界に通用するR&Bを期待する。間違いでしょうか?。 野球でいうイチロー、マツイ。サッカーでいうナカタ、オノとかみたいな事です。オリンピックの金メダルとも同じです。荒川選手は東洋人で初の金メダルをフィギュアという東洋人には不利では?。と思われる世界でです。昔は思ったものです。いくら技術があっても、外国人選手のスタイルの美しさと比べたら。難しいんだろうな。って。でも今の日本人の容姿の美しさは世界でも通用します。わたしのアメリカ人の友達はよく言っていました。日本人は普通に道を歩いていてもかわいい子ばっかり。アメリカじゃかわいい子探すの大変なのに。って。彼は彼女がいたので、普通に歩いていてこんなにかわいい子ばかりじゃ気が散るからなるべく見ない様にしているんだって言ってました。自分もアメリカに住んでいた経験から同感です。つくりうんぬんでなく美に対する意識が日本人は世界に誇る程に高くオシャレなのです。 もちろん柔道での金メダルでも嬉しいですが、むこうの発祥のスポーツで日本人が本場に勝ち、日本人の身体能力の高さを証明する。そこに感動し酔いしれるというのがあるのではないでしょうか?。古く言えば敗戦後、力道山が身体のでっかいアメリカのレスラーを相手に対等に闘うのを見て失った自信を取り戻し、そして劣等感を慰めてくれたと言います。音楽だって同じく世界を相手に闘うヒーローが必要ではないでしょうか?。 サウンドはそこそこ良い線言ってます。でもメジャー近付く程、サウンドに関してもユーロビードとHip Hopの区別すらついていません。わたしは日本という国を愛していますし、日本の文化、そして自分が日本人であるという事にも誇りをもっています。日本独自のR&B。それを否定しません。 しかしR&Bには独自の歌唱方があり。それがR&Bなんです。いくらサウンドがズレてなくても、コード進行をパクッても。メロがそれっぽくても、まったくのポップ歌唱ではR&Bでは無いのです。R&Bの歌唱方があってはじめてR&Bでは無いのでしょうか?。ブルースに根ざし、黒人霊歌、そしてゴスペル歌唱、ジャズ歌唱も'70年代以降は取り入れたそのR&B歌唱です。わたしはR&Bという音楽を心底愛しているからこそ、そのR&Bという言葉が間違った形で使われる事に非常に違和感を覚えるのです。人種がなんであろうと本当のR&Bききたい。ただそれだけです。 話しを戻します。ウチは音楽教室です。だから生徒がレッスンで取り上げている曲を発表として演奏します。わたしの本業はソングライターでした。アメリカの黒人のレーベルで一応認められました。だからオリジナルを生徒に歌わせる事も出来ますが、それはレッスンという事からは大きく外れてしまいます。 そして思います。オリジナル。でもR&B風の歌謡曲。もちろんそれが好きな人もいっぱいいます。しかし洋楽のR&Bが好きな人もいっぱいいます。日本人が今世界で流行っている曲をリアルタイムに歌う。そしてそれがしっかりしたR&B歌唱である。昔から黒人音楽では日本人は黒人みたいに歌えないという劣等感でみんなすぐに諦めます。もしそれが出来るのであれば見る価値は十分にあると思います。オールディーズではなくて(わたしは黒人霊歌から戦前ブルースからモダンブルース、カルテッドゴスペル、Doo Wop、サザンソウル、モータウン、フィリーソウル、ディスコ、'80'sソウル、Hip Hop、New Jack、Hip Hop Soul、リアルタイムなR&Bとオールタイムに黒人音楽の全てが好きなのですが。)しかしリアルタイムなR&Bが聞けて、それが日本人が歌っている。その生徒達のスタイルに十分酔いしれます。事実、若者だけでなく通りがかりでみていただいた中高年の方々も酔いしれていただいています。シアラやR.ケリーやビヨンセを知らなくたって「日本人もやれば出来るじゃないか。」と。 実際、マニアックなので本当に小さな規模の個人音楽教室です。世間の理解を得られないのなら自力でと新年を持ちがんばっていますが、やはり経済的な限界で本当に大変な苦労です。場所も宣伝費も。苦労しても宣伝出来なければ水の泡。結果生徒が失望し疲れてしまい。生徒を育てるつもりでやっていたライブ活動が結果として有能な才能を昨年は多く失ってしましました。今は新しい才能を発掘、育てて立て直しています。理解をいただいた『よみうりランド』や『OSC湘南』など。本当にアマチュアの音楽を育てるという気持ちを持った素晴らしい活動をされていると思います。この場を借りて感謝をさせてください。 もっと世間がこのTriple M musicの活動に注目していただき、ご理解いただき、野茂がメジャーに行くと言った時に日本の野球界は非観的でした。しかし彼は成功をし、日本人の野球技術が世界レベルの高さである事を世界に証明し、そしてこんにちの日本選手のメジャーでの活躍があります。 決して日本人は歌唱という面でアメリカに劣っていない。ジャズやクラシックでは証明しているじゃないですか?。何十年も歌をやっていれば到達する。そこまでいきました。 しかし何故若者のR&Bにはチャンスを与えてくれないのですか?。確かにアメリカの音楽環境と日本の音楽環境は違いすぎます。アメリカは子供の時から教会で歌を習い、ハーモニーを学び。発声やリズムも学び、そして20歳になった頃にはボーカル歴15年くらいです。それに比べ日本は20歳で本格的にボーカルを始めるくらいです。しかしどれだけの才能が埋もれているか知っていますか?。一番驚いたのはこのわたし自身なのです。R&B歌唱を出来る。それも黒人が聞いて違和感の無いレベルで、そして自分の黒人の友達が何人もがアカペラのハーモニーにもうなりました。グループサウンズ、フォークブーム以降の日本のポップシーンで一番日本人が苦手で馬鹿されていたハーモニーでです。これは売り出すべきだって。真顔で何人かに言われました。でも自分にはそのお金がありませんでした。 そんな若者がいっぱいここには集まってくるのです。黒人でなくブルースを知らない。そしてゴスペルを聞いた事もない、サザンソウルもモータウンクラシックも知らない様な若者がです。そんな若者がウチでゴスペルやハーモニーであり、ブルースフィーリング、黒人のリズム感であったり、本場のアメリカ式の発声、通用する発音を子音レベルではなく母音レベルで学んでいます。 自分のアメリカ人の黒人の友達が日本料理店に一緒に行った時にかかっていた古い民謡を聞いてこう言いました。「日本人は歌えないと思っていたけど、これは黒人みたいに歌っているじゃないか?。日本人も歌が歌えるんだな。」ってはじめて飲んだ日本酒を飲みながら気に入って口ずさんでいました。 もともと日本人には高い歌唱力の素質と文化があるのです。それを否定しているのは他でもない近代の日本のポップカルチャーであり、そして日本人自身なのです。 これを読み気分を害された方もいるかもしれません。否定されたと。だとしたらあなたはもしかしたら、わたしのしている事、やりたい事を同じ様に否定している人だからかもしれません。それではいつになっても文化の成長にはつながりません。 身体能力の証明出来る場所を日本人はサッカー、野球、オリンピックの世界で得ました。今度は日本人が何を考えて、何をしたいのかを歌を通して語れる日本人。日本人も同じ様に人を愛し、同じ様に傷付き。そうやって生きている。そして世界に心をもって存在しているのだと。アニメや映画は一足先にそれを実現しました。今度は音楽では無いでしょうか?。世界共通の愛の音楽では無いでしょうか?。 決して日本人は機械製品を作っているだけの技術者集団ではない。スポーツだけが出来るだけでは無い。愛、心、夢を持った同じ人間なんだ。黒人達はそれを証明しました。 愛する喜び、愛を失う苦しさ。愛は人間が生命である以上、いつの時代でもどこでも不変です。愛なしに子孫は残せない。誰も愛し合う事をしなくなったら、子供がひとりも産まれなくなった時点で人間は滅びます。パンダなどの絶滅動物の多くが抱えている問題の様に。愛はなくなりません。どんな文化の違いがあれ共通なのです。そしてラブソングはバカげているでしょうか?。世界中の人々が愛する人が出来て嬉しいんだ。愛する人が去って悲しいんだ。それだけで、同じ心を持った、同じ人間なんだって解るのです。 日本が今、世界に必要なのは同じ心を持った人間であると優しく、時に切なく、時に激しく世界の同じ様に心を持った人々に語りかけられるヒーローなのです。 でも日本には昔からいました。聞いた黒人がビックリするくらい歌える日本人が。でも何をやっているかと言えば歌の先生、有名シンガーの自分より全然歌えないシンガーのバックボーカル。 ご理解、サポートをする勇気。そして世界に通用する文化を育てるという大きな夢を共に現実にするために闘ってもらえる日本人をわたしはこの日本に必ずいるのだと期待しています。 |
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