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私はこうして発声を身につけた

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●R&Bヴォーカルコース

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●音から覚えるポピュラー音楽理論コース

●初心者の為のR&Bギター&ベースコース

●アメリカインディーデビューコース

研究成果レポート
R&B(リズム&ブルース)の精神とはなんなのか ?

 R&Bは単純に黒人がやる世俗音楽の事を指す。それまではRace(人種音楽)と呼ばれていた。
 つまり宗教音楽のゴスペル、世俗音楽だが白人と混血で育ち芸術性の高さを認められたジャズ以外の音楽となる。
 日本ではR&Bとリズム・アンド・ブルースを区別する風習があるが、これは意味不明だ。古いのはリズム・アンド・ブルース。新しいのはR&B。そんな決まりは無い。R&Bはあくまでリズム・アンド・ブルースの略である。

 そして時代と共に変わるリズムばかりに目が行きがちだが、重要なのは普遍のブルースの部分である。

 もちろんその前に殆どのR&Bアーティストが子供時代、教会でゴスペルで音楽技術を育み、親にも聖書で厳しく育てられ、非常にアメリカの黒人は伝統的に信仰に熱心であるという家庭や教育環境がある。
 しかしティーンになると反発もあるだろうが、好奇心や単純に若者は流行にはしるものである。そして世俗音楽に身をゆだねる。
 いや正確に言えば未婚の若者にとってあまりに教会は居ずらい場所であるからだ。それは聖書で結婚前に異性との肉体関係を持つ事が禁じられているというのが一番であろう。
 自分も黒人教会に通っていたから解る。日曜学校(聖書の学び)でハッキリと結婚するまでセックスはしてはいけないと言われた。
 教会には結婚している成人と子供が殆ど、ハイティーンや20代がすっぽりと抜けている。自分のアメリカ人の黒人の友達に一緒に教会に行こうと言ったら、「いや、それは無理だ。罪悪感で行けない」と真剣に言っていた。

 つまりそんな悪循環と言ってはいけないが、そういうものが昔から今に至るまで程度の違いはあれ残っているのだ。ティーンになると教会に行くのが後ろめたくなり、そして同世代の世俗音楽に身をゆだねる。ゴスペルを愛して神を愛しているのに、教会からは嫌われる。

 自分自身も教会音楽から世俗音楽へと戻り、クリスチャンの中には白い目で見ている人達が居るのが解るだけに、その状況が良く解る。ましてキリスト教国家のアメリカ、しかも信仰の強い黒人コミュニティーではもっと凄いものであろう。


 話しは大きくそれたが何故こんな初歩的な事をレポートに書くかと言えば、ブルース・ムーヴィー・プロジェクトのデヴィルズ・ファイヤーというブルースの歴史を追った映画を見たからだ。ブルースに魅せられ南部で修行したまでだったが、知らない事がいっぱいあり、とても勉強になった。

右へ続く

私はこうして発声を身につけた

 何故わたしがここまでブラックミュージックのとりこになったかとどうでもよい事はもし興味のある方はコラムを読んでいただくとして、どうやってブラックミュージックの発声を身につけたかについて書きます。

 ここでは多くの苦労話し、そしていかに彷徨ったか。という話しです。しかし色々な経験から意外にも身につけるには単純で簡単な事だと解った事。声を出すという事に対しての発想や常識、文化背景が違っただけの事。身体の使い方とメカニズムの理論が違うというだけの事。
 それに気づくまでの10年以上の経験と研究の奮闘記です。生徒が私と同じ苦労をする必要はありません。この無駄(と言ってしまっても悲しいが)と思える苦労を生徒がしない様。レッスンという限られた時間内で無駄なく回り道なくスピーディーに合理的にそのノウハウを教えています。何事もメカニズムを知れば意外に簡単に無理なく身につけられるものなのです。わたしの珍奮闘記を笑ってください。

 私も多くの人と同じでした。R&Bを歌い始めたのが16歳くらいの時。黒人みたいに歌いたい。でも声が日本人の声質で挫折の繰り返し。どうやったら黒人みたいな声が出るんだと悩み。人によっては声帯や身体の作りが違うというトレーナーも居て。しかし現実に日本人でも黒人みたいな歌い方を出来る人が居るではないか。日本人が少ないというなら、フィリピン人にはいっぱい居る。そして白人やヒスパニックで黒人みたいに歌うシンガーも現実に居る。特異体質なのだろうか?。だから諦められない。
 それからは狂った様に例えば英語のスクリプトなどを黒人風に発音したり、黒人みたいな声を出して読んでみる。そのためひたすら黒人映画やらドラマやらを見まくった。ギャング映画でHip hopトークを研究した。ラップもやった。見る映画はブラックムービーオンリー、
 血が違うのだろうか?。色々な黒人の友達を作って文化を学んだり、黒人の彼女を作ったり。黒人文学や、黒人の歴史を学んだり、R&Bのルーツのブルースを聞きまくり、勉強するためにブルースやディープソウル、ゴスペルというルーツミュージックのメッカ、メンフィスにも住んで修行をした。黒人の教会でも歌った。何故ならR&Bシンガーの殆どがゴスペルで喉を鍛えたと言うだけで完結するからだ。黒人教会で洗礼を受け聖書も学んだ。何がビックリしたってクワイヤ(バックで歌う人達)はみんなオペラみたいな発声だった。その教会がおかしいのかと思い他の教会に行ったりしたがどこも同じだった。CDをいっぱい買ったがだいたい同じだった。
 だいぶ染まったし、身になった、でもいまいち掴めなかった。いやむしろ生に触れる経験という意味で貴重であったが、歌はちょっとそれっぽいくらいしかいかなかった。
 それはとうとうルーツであるアフリカにまで向けられた。アフリカの色々な音楽を聞き声を真似てみた。またアフリカの影響の強いジャンル、ブルースやファンクのシンガーを真似たりした。アフリカの友達を作ったり。アフリカの音楽、声を聞きアメリカの黒人と違う声である事に興味を持ったし、明らかにルーツがそこにある事を学んだ。しかしアメリカ人の黒人みたいな声は出なかった。

 もちろん黒人のトレーナーにも習った。しかし自分が習った人達が偶然そうだったのかは知らないが、ジェイムス・ブラウンみたいにファンキーにとかマーヴィン・ゲイみたいにメロウにとか、マディー・ウォーターズみたいにブルージーにと言われてもそれが出来ないんだって。一通りR&B誕生の50年代のドゥーワップから60'sのモータウン、サザンソウル、70'sのフィリーやスウィートソウル、ファンクなどひと通り聞いた。80'sや'90sはリアルタイムだったんで。色々なシンガーを研究した。それがあったからこそ(また現在も研究しているから)それが実って今の仕事があるのだが、しかし相当に悩んだ。

 私のこの長年の苦しみを救ってくれたのが意外にもある白人のトレーナーの著書だった(日本語訳はされていない)。それがアメリカ式のボイトレとの出会いであった。黒人の先生はよほど他人種に慣れている人でなければ、黒人のコミュニティーで教える場合が多いのかもしれない。つまり黒人っぽい歌い方などを文化として受け継がれあえて研究する必要はなく暗黙の了解で当たり前過ぎるのかもしれない。もちろん多人種に黒人の発声を教える専門のトレーナーも居るかもしれないが。しかし私の出会った著者の白人のトレーナーは白人が黒人っぽく歌う方法を知っていたのだ。
 つまり黒人以外が黒人の癖を真似るメカニズムが既に存在していのだ。これは大きな驚きだった。つまり当教室で教えているプレイスメントとレゾナンス。アメリカにある全てのジャンルに対応出来るというものだ。もともとイギリスの移民が作った国。当初はクラシックの声楽であった。しかしそこに奴隷として連れてこられた黒人達。最初は彼等の音楽は無視をされていたが、アメリカを象徴する音楽といって良いジャズが流行した事で黒人の歌唱法を白人も取り入れる事が進んだ。何故なら発声法がクラシックの声楽で説明のつかないユニークなものだったから研究され、そしてアメリカ独自の発声法が産まれた訳である。

 そしてそれらは日本人以外にも黒人の生徒や白人の生徒を持つ事でより確かな確信が持てる様になった。

 ブルースはアフリカのマウスレゾナンス、モーリス・ホワイトやラリー・ブラックモンなどのファンクやアレサやマーヴィン・ゲイやロナルド・アイズレーなどソウル、現代のR&Bにも特にR.Kellyやジョン・レジェンド、アリシア・キーズなどシンガー。いやもっと広く黒人シンガーを説明するのに欠かせない。実は日本人もマウスレゾナンスの民族だがアフリカとは若干違う。日本人が直接口から出すのに対し、アフリカ人は上の前歯の裏に声を当てる。マウスレゾナンスは木造文化で育った発声である。だからこそ西洋人には無かったものである。
 そしてジャズはソウルヴォイスでもあるネイゾル。日本の音楽シーンでは80'sにおニャン子クラブとかが鼻にかけて歌った事で、鼻はアイドルと意味嫌い教えていない場所も多いと聞く。しかし美空ひばりはジャズから影響を受けたのかめちゃくちゃネイゾルではないか。ビリー・ホリディを聞いて欲しい。そして平井堅やウタダなど洋楽派の日本人のシンガーはみんなネイゾルを使っている。しかしその鼻(ネイゾル)にこそソウルヴォイスの秘密があった。
 いかにもネイゾルはK-ci&JojoのJojoや往年だとO.V.ライトなどのディープソウル。しかしマライヤやBoyz II Menも例外でない。往年でもオーティス・レディングやら...そんな説明は良い。ネイゾルを使わない黒人のシンガーの方が珍しいくらいだからだ。しかし当の黒人達は多人種に比べネイゾルが強いのを気がついていない場合が多いようだ。マウスが血であるアフリカンヴォイスならネイゾルこそソウルヴォイス。この出しかたのメカニズムを知ればどんな人種でも出せるのである。
 そしてアフリカ人とアメリカ人の黒人の声の違いはゴスペルにある。黒人教会は昔は白人の教会の賛美歌を歌っていた。19世紀の黒人教会を再現したCDを聞いたら非常にクラシックだった。つまりその名残が残っているからだ。ブルース、ジャズ、そして黒人霊歌をミックスし出来たゴスペルは以外にも20世紀と最近である。つまりマウスとネイゾルに西洋のヘッドとチェストレゾナンス。普段、生活レベルでもから音が響く石造文化で産まれた、いわゆる声楽。クラシックを聞いて欲しい。響くという事に以上なまでの美学を持っている。そのアフリカとヨーロッパで育った発声が組み合わせる事で、アフリカン・アメリカン(アメリカの黒人)特有の声が産まれたのである。

 ここから実際にレッスンでとなる部分であるが、つまり黒人と日本人は民族的な血が違うとか体系が違うから出せないというのは迷信である。メカニズムを知り訓練をすれば出せるのである。世界的に見て今クラシックの声楽の次にポピュラーなのがアメリカのヴォイトレである。フィリピンやマレーシアなどでは普及していると出て来るアーティストの声で立証される。しかし日本は島国根性なのかアメリカ式のヴォイトレは殆ど普及していない。
 私はアメリカで実際に行われているアメリカ式発声を更に日本人の文化背景や癖を理解したうえで、日本人が習得しやすい指導、研究をしています。当教室のアメリカ式ヴォイストレーニングと私の指導法はこうやって産まれたのです。

研究成果リーポート 続き

 そしてR&Bの精神だ。
 70年代にニューソウルが出て来るまで、ジャズやゴスペルをやる黒人以外の平凡な黒人は失恋しただのセックスをしただののブルースしか歌えないと馬鹿にされて居たのである。
 そこで登場したのがダニー・ハザウェイやロバータ・フラックだ。クラシック音楽やジャズも取り入れ、そして歌詞にも芸術性を取り入れた。スティーヴィーやマーヴィン・ゲイも続く。世俗の流行もの音楽が芸術となったのだ。
 しかしそれは長くは続かなかった。ここで重要なのがマーヴィン・ゲイだ。彼は兄弟がベトナム戦争から帰ってきてその悲惨さにショックを受けWhat's Going onという社会的な名曲を書く。しかし戦争は終わらない、あの反戦運動の時代だ。
 それに失望したマーヴィンは戦地の兵隊達に殺し合いなんか辞めて、国に帰って女とセックスしようと歌いかけた。
 これがR&Bの方向性を決定づけた。それはR&Bは当初からそうであった様に「愛」の音楽であると。それは今にまで続いている。

 愛、それは強いだけの愛だけでなく、黒人達が奴隷時代、そしてそれ以降も失望し生きる事でさえままならない状況が続いた。その愛には情けの意味も含まれているであろう。ブルースマンは口癖の様にLord, Have mercy、「主よ、あわれみを」と連発する。

 非情に長くなったが、日本のにおいてのR&Bは、この部分への理解が浅く、そしてR&Bの捉え方が本来のR&Bとは異なったものとなっているというのが、ブラックミュージックを聞いて20年経ったが、昔から今に至るまで感じる事だ。だいぶリアルにはなって来たが。確かに日本語でまた日本文化においてアメリカのR&Bの様に単刀直入すぎると恥ずかしいものになってしまうというのが一番の大きい理由であろう。なってしまっても怖い気がする。またまだ単なるダンスミュージック、クラブミュージックと理解している人が多いのは悲しい。
 アメリカの黒人の若者などは外ではHip hopファッションでカーステではガンガンにHip hopをかけてタフに装って、家で一人の時にこっそりR&Bを聞いて浸る。そういうものだ。R&Bはファッショナブルな音楽でもあるが、もっとそういった生活というか、身近な日常に、そして心のより所として存在している。

 最後に前出の映画デヴィルズ・ファイヤーからの伝説のブルースマン、サンハウスの「デス・レター・ブルース」の動画を見てもらいたい。曲もそうだが、途中のインタビューである。失恋は時として人を殺しかねない。それがブルースだ。と言う。
 このシリアスさだ。もちろんこれは極論で例え方に問題はあるが。たかが恋愛というがお遊びではないという意味であろう。ギリギリの精神状態を美化しない人間の生身の部分。本音であり人生そのものが遊びでなく本気(リアル)であるという部分。
 よくブルースは泥臭いと表現されるが、その人間の本能的な汚い部分であり、そして地に落ちた姿。そこにこそ人間の本質が見えてくるものだ。人間の心や感情とは理想で描くほど綺麗なものでは無い。その本音の部分を露骨に表現をする。普段理性でおさえなければいけない部分だからこそ、音楽では本音で心をえぐった様に表現する。聞いている方もよく本音を言ってくれたとなるのが、ブルースであると言え、そしてR&Bや特にHip Hopにも受け継がれている。
 もちろんこれは一つの見解であり全てではない。愛の優しさや喜びを表現した曲もR&Bにはいっぱいある。
 R&Bがいかにチャラチャラしていても決してシリアスさを失わない、カッコ良さを失わないのは、美化せずに人間の駄目な部分、駄目な感情をダイレクトに言葉に、そして音にするからであると私は思う。
 そしてそこに理性で考える善し悪しでなく本能が共感するのである。
 そこにR&Bのルーツと普遍的な本質を見た。

   
講師について


茂呂直哉

 アメリカで発声、その他音楽理論、作曲、編曲、楽器等を学び、Jazzの学校も出る。
 アメリカでシンガーソングライター、黒人との混合のヴォーカルグループのメンバーとして、また楽器プレイヤーとして黒人の店などのステージに立つ。また黒人教会のゴスペルクワイヤとしても活動するかたわら、インディーの黒人のレーベルで編曲などの仕事をする。
 初の仕事はプロデューサー/トラックメイカーとして黒人の運営しているレーベルとディール。前座ながら武道館に出演。
 帰国後レーベルなどのアーティストのトレーナーも務め、また大手のスクールでも講師を務める。
 しかし現在は、より理想の教育を行う為に大手などのスクールを辞め個人教室という形でTriple M music art Classを運営。
 初心者からプロまでレッスンをしている。
 またネイティブ講師の英会話教室『SPEAK ENGLISH ROOM』の経営や、黒人シンガーを派遣する事務所『Soul arrangement』の経営兼ディレクター、キーボーディストとしての活動等も行っている。

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