第1部

のどをあける
腹式呼吸
歌うための腹式呼吸
ブレス
より実践的なブレス
リズムは発声の源
西洋と東洋の響きの美学の違い
口の中にお風呂場をつくる
クラシックの発声っ?
口の空け方
大きく芯のある声を出す(サポート)
第2部
[収録内容]
腹から直に
大きな声を出すためのブレス
まずは音を揺らさずにクリアな音で
母音の発音が重要
絶対に喉(あご)を締めない
とにかく全身脱力
音程は横隔膜を使う
身体のどこに響くかで音程を覚える
高音を出すための口のフォーム
実際に出す際の身体のフォーム
それでも出ない場合の裏技

第3部
[収録内容]
低音を出すために
しかし一番は使える音をより良くする事
ピッチについて
基礎音楽理論を頭でなく歌って耳で覚える
腹筋の使い方(スタッカート)
ビブラート
12種類の声を使い分ける発声基礎理論
更に2倍。声帯の使い方
R&B特有の発声方
好きなシンガーの声質や発声を盗む方法
音量の強弱

のどをあける

 喉の開け方はまず手鏡などを使い口を開けて喉を見てください。通常は舌の上にのどチンコ(汚い表現ですいません。)が乗っている状態です。そのままあくびをしてください。そうするとのどが開きのどチンコが舌から離れるます。この状態で息を吸い、そして声を出します。のどを開くのは筋肉なので毎日歯を磨く時など鏡の前に立ち喉を空けて10秒ホールド、戻すという繰り返しを5回くらいしましょう。また時間がある時などは喉を空けた状態を数分間保つのも良いエクササイズです。


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腹式呼吸

 腹式呼吸と肺呼吸という言葉があります。当然どちらも肺で呼吸しているのですが、肺呼吸は人間が立った状態で普通にしている呼吸を言います。肺が息を吸った時に前後に拡がります。前後という事は前には胸骨、後ろには背骨とあばら骨があるますので吸う量に限界があります。それに対して腹式は肺を下に拡げます。そうすると下は臓器ですので前後の時よりももっと大きく拡がります。
 腹式呼吸は寝ている時に誰でもしてます。仰向けに寝て、お腹に手を置き息を吸ってみてください。お腹が膨らむのが解ると思います。肺が下に膨らみ臓器を押される為にお腹が膨らみます。これが腹式です。これを立った状態で行えば良いのです。


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歌うための腹式呼吸

 歌うためにはお腹が膨らみ過ぎると腹筋が使えなくなってしまいます。それを避けるために背中と横腹も膨らませます。ちょうど浮き輪をしている様な状態です。背中を膨らますにはうつ伏せに寝てみて、仰向けで寝た時と同じ様に呼吸してください。そうするお腹は地面についてますので必然的に背中が膨らみます。もちろん背骨があるので微々たる膨らみですが実感してください。そして横腹はどちらでも良いのです横向きに寝てみてください。そしてお腹と背中を手で抑えて膨らまない様にします。そうすると片方は地面についていますので必然的に上に向いている方の横腹が膨らみます。両サイド行ってください。そして最後に立ちお腹、横腹、背中が平均的に膨らむ様に呼吸してみましょう。これが歌う時の呼吸方です。

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ブレス

 腹式について説明しましたが、実際にブレスしてみましょう。まず立った状態で4秒かけて十分に上記の方法で吸います。もう吸いきれない。そしてお腹回りがもう肉がはち切れそうという状態まで吸い筋肉に覚え込ませます。4秒間そのままでとめます。そして4秒間吐きます。もう吐けないというとこまで吐いてくだしさい。これを必ず最低3回は繰り返してください。人間の身体は最低3回は繰り返さないと覚えません。また初めて行う場合は吸う時間は4秒に限定せずに時間がかかっても吸いきれないまで吸うようにしてください。
 そして応用として吐く時間を8秒、最大16秒くらいにまで伸してください。吐く息の量が一定である事が重要です。この場合も同じ秒数を最低3回は行います。そうする事で秒数に応じて吐く加減が解ります。16秒息を伸ばせればテンポ60のスローバラードで4小節のロングトーンが出来ます。まずは十分でしょう。
 また口で吸うか、鼻で吸うかという事がありますが、基本的には本人のチョイスです。しかし初心者は出来れば口で吸い、吸った時の肺の感覚やお腹の感覚を覚えてからにした方が確実と言えるかもしれません。

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より実践的なブレス

 吸うのに4秒かかっては実践的ではありません。その4秒で吸った量と同じだけの息を半カウントで吸うトレーニングが必要です。メトロノームを使いテンポ60に設定。カウント4の裏で息を吸いきれないまで吸います。そしてカウント1から4の表まで吐きます。またカウント4の裏で息を吸います。これを繰り返します。また早い曲に対応するためにテンポを上げて練習する事もお勧めします。イメージは水泳での息継ぎです。

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リズムは発声の源

 メトロノームというのが出てきましたが、ブレスとリズムには密接な関わりがあります。歌ではリズムも表現します。頭で考えるのではなく、頭のてっぺんから足の裏まで使い身体にリズムを覚えさせる必要があります。これが出来る事でよりシャープでダイナミックなブレスが出来ます。イコール、シャープでダイナミックな発声が出来るという事です。発声は身体を使うものです。リズムは欠かせない要素です。

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西洋と東洋の響きの美学の違い

 まず発声で一番西洋と東洋が違うのが音の『響き』に対する美意識です。東洋は木の建築であったため、音は吸収されて響きという感覚が西洋にくらべあまりなかったと言われています。逆に静の美学はあります。しかし西洋は石の建築、教会にしてもそうですがとにかく音が響きます。そしてさらに響く声を出すために努力をしましたし、ハーモニーも発展しました。初めて日本人が西洋のハーモニーを聞いた時『うるさい』と感じたそうです。

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口の中にお風呂場をつくる

 クラシックのオペラなどでは300名クラスの小さいホールなどはマイクを使いません。もちろん声楽家がきちんとした発声だから大きく、響くというのもありますが、ステージの前面の上部に反響板という音を反響させる板を設置します。その反響板に声が跳ね返り、ステージ上にお風呂場で歌った時の様に充満して反響する環境が得られるのです。その充満し反響した声が客席に届きます。この原理を口の中でも作ります。東洋は口から直に外に出す発声方をするのに対し(民謡や演歌を参考)、西洋はノドの上部3/2から息を出し、そして上の歯とその付け根の歯茎を口に指を入れて触ってください。ちょうど直角になっていますね。歯からその直角の部分まで反響板にします。そこを目掛けて息を出せば口の中でお風呂場の様な反響と音の充満が得られます。より良い反響を得るためには速度の早いブレスが必要です。

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クラシックの発声っ?

 上記の方法で声を出すとまるでクラシックの様な声になります。ブラックミュージックをやるのにクラシックの発声?。と思う方がいるかと思います。殆どのR&BシンガーやJazzシンガーは小さい時から教会でゴスペルを歌ってその喉を鍛えます。これは知っている方が多いと思います。そしてそのゴスペルのクワイヤ(聖歌隊)の発声こそがクラシックの発声なのです。もともと教会音楽は西洋からきているので当然の事です。ソリストは最近はR&Bシンガーの様なスタイリッシュな声の出し方をしますが、昔のゴスペルはオペラ歌唱の人も多かったです。つまりアメリカの黒人は教会という文化の元で西洋の発声も基礎として学んでいるのです。これは現代でも同じです。自分もはじめて黒人の教会のクワイヤで歌った時に、そのクラシカルな歌声にカルチャーショックを受けました。R&BなどのCDで聞いていたソウルフルでスタイリッシュな黒人の声でなかったからです。これはどこの教会でも同じでした。ゴスペルのCDでも同じです。逆にアフリカの伝統音楽を聞くとその発声の響きの違いに驚きます。もっと平面的な音です。
 もちろんR&Bはこの西洋の発声を基礎にアフリカ的な発声。そして西洋の民謡的な発声を組み入れて出来ているのです。以外かと思うかもしれませんが、これがアメリカの黒人の声の歴史であり欠かす事の出来ない基礎なのです。よく日本人で小さい声でマイクを巧みに使い黒人のシンガーの真似をするのが上手い人がいますが、あれはまったく論外です。

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口の空け方

 口は空け過ぎず、アゴに全く力を入れない事です。空けるスペースは指に2本をくわえたくらいがちょうど良いです。バスで修学旅行や遠足に言った経験はありませんか?。座ったまま寝ると口がポカーンと空き、汚い話しですが、よだれが出て来ます。そんな経験はみなさんある事でしょう。歌に適切な口の空け方がちょうどそれなのです。空ける広さはもちろんですが、その全く力が入らずにポカーンと空いた状態。どんな音域や大きさ、また母音でもこの口の空け方で歌う事がベストです。決してアゴを突き出したり、物を噛むように力を入れたりはしないでください。

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大きく芯のある声を出す(サポート)

 では実際に声を出してみましょう。ここで重要なのでピアノでいうタッチ、ギターでいうピッキングです。両手の親指でそれぞれに横腹の一番下にあるアバラ骨の2、3センチ下を内側に押します。そして咳をしてください。そうすると横腹が咳を同時に一瞬外側に開くのが解ります。これがサポートです。それと同じ様に横腹が開く様に自分の出しやすい音域でアッと声を出してください。とても芯のある大きい声ですね。声を出すまでは全身をリラックス。出した後も全身リラックスです。あくまで声が出た瞬間、横腹が開く瞬間の0.01秒の一瞬だけに全ての力を集中させます。少しでもずれると正しい声が出ません。驚いた時のアッと同じです。また犬が吠えるのにも似ています。これは歌う時にフレーズの出だしに必ずいれてください。ピアノのタッチと一緒です。
 またメトロノームに合わせる事で0.01秒の一瞬に力を集結させるトレーニングになります。またサポートの際には腹筋はまるで動かないのが理想なのですが、最初は難しいので横腹だけに集中してください。サポートは声を大きくする。また太くする事の基本でもあります。慣れたら声を出さずに横腹だけを動かす練習もお勧めします。
 声を小さくする時や細くする時などのサポートについては後の章で説明します。

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