第2部

腹から直に
大きな声を出すためのブレス
まずは音を揺らさずにクリアな音で
母音の発音が重要
絶対に喉(あご)を締めない
とにかく全身脱力
音程は横隔膜を使う
身体のどこに響くかで音程を覚える
高音を出すための口のフォーム
実際に出す際の身体のフォーム
それでも出ない場合の裏技
第1部
[収録内容]
のどをあける
腹式呼吸
歌うための腹式呼吸
ブレス
より実践的なブレス
リズムは発声の源
西洋と東洋の響きの美学の違い
口の中にお風呂場をつくる
クラシックの発声っ?
口の空け方
大きく芯のある声を出す(サポート)

第3部
[収録内容]
低音を出すために
しかし一番は使える音をより良くする事
ピッチについて
基礎音楽理論を頭でなく歌って耳で覚える
腹筋の使い方(スタッカート)
ビブラート
12種類の声を使い分ける発声基礎理論
更に2倍。声帯の使い方
R&B特有の発声方
好きなシンガーの声質や発声を盗む方法
音量の強弱

腹から直に

 まずは陸上の100M走と、障害物100M走を想像してください。当然、障害物のない100Mの方が早く走れます。これと同じです。サポートでブレスを出し同時に声が出なければいけません。正しいサポートで息を出しても、胸や首、アゴ、ノドに力が入ってしまったら、それは声を出すというゴールまでにいくつもの障害物が出来てしまいます。特に中級者でも胸を締め付けたり、首に力の入る人が多く居ます。自分の身体がスポイトだと想像してください。スポイトはお尻のポンプの部分を押し液体を送ります。しかしスポイトのポンプを押すと同時に出口からポンプ方向に圧力をかけたり、絞っていまったらら上手く液体は出ません。つまり身体に力を入れる事はこれと同じ事をしているのです。良い声や大きい声を出すには息を出してから声が出るまでの時間が短ければ短い程良いのです。身体の力を抜き自分で自分の声に障害物を作るのをやめましょう。スポーツでも料理の包丁の使い方でも同じですが、人間は慣れない何かをやろうとすると異常に神経が集中して無駄な力がはいります。力を入れる事よりも力を入れない事の方が難しいのです。
 余談ですが、発声に異常に力が入って声を締め付ける人にちょっとのお酒を飲ませると身体の力が抜けてとても良い発声をする場合があります。もちろんお酒を飲んで歌うのはあまりお勧めしませんし。しかし身体の力が抜けて良い声を出すというのを実感するのには一度くらい試してみると良いかもしれません。

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大きな声を出すためのブレス

 大きな声を出すには息の量が関係します。息の量が多ければ多い程声が大きくなります。このためにはブレスのスピードをコントロールする必要があります。ブレスのスピードが速ければ、速いだけ大きな声が出るブレスが出来ます。サポートとも関係しますが、吹き矢を飛ばすように速いブレスをしてみてください。メトロノームのビートに合わせ、ハッ、ハッ、ハッ、ハッ。次にSのサウンドでスッ、スッ、スッ、スッ。そしてFのサウンドでフッ、フッ、フッ、フッ。という様にまずはブレスだけで練習。そのあとにアッ、アッ、アッ、アッの様に声をつけます。

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まずは音を揺らさずにクリアな音で

 歌だけに限らずに何の楽器でもそうですが、まずビブラートをかけないクリアな音を出すというのが基本です。ビブラートの章で説明しますが天然でのビブラートは喉でかけたり、アゴでかけたり、またブレスでかけたりと正しくない場合もあります。また本人はビブラートのつもりでもただ単に音程が不安定で揺れていたり、音をまっすぐ出すという事を筋肉がキープ出来なかったりという場合が多いです。これはビブラートではなくクセ声と言います。またまっすぐな音というのはピンポイントのピッチですので、それを正しく認識するには研ぎすまされた音感が必要です。まず音を揺らさずにまっすぐ出すという事をしてください。以外に難しいですし長い年月を要する人もいます。しかしこれが出来れば、正しい音程の基礎になりますし、またロングトーンやハモりなどではただ音を揺らさずにまっすぐ出す、これだけの事がプロレベルでもかなり使えるテクニックになります。声を楽器にする一番の基本はこの音にあります。

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母音の発音が重要

 母音とは『あいうえお』の事です。子音の方が多くあるので子音の方が重要と思われるかもしれませんが、子音プラス母音。子音はある程度勉強するば以外に簡単に身につきます。このプラス母音の部分が重要なのです。子音が無声に対して母音は有声ですので当然、発声と直に関係があるのです。日本語の割舌だと口を『あいうえお』で『あ』は縦に、『い』は横に広く、『う』はつぼんで、『え』は縦に、『お』は丸くと教えられます。しかし今の時代こんな発音をしている人はJ-popでも洋楽系のアーティストにはあまりいないのではないのでしょうか?。民謡や子供番組の童謡のおにいさん、おねえさんみたいになっていまいます。西洋の発声は『あいうえお』が全部同じ響きである事が重視されます。同じ響きという事は同じ口の開き、そして口の中の広さが同じでなくては同じく響きません。『い』をおもいっきり横に開いてしまったら口の中の広さが『あ』の場合と違ってしまい平面的に潰れた様な音になってしまいます。つまり『あいうえお』全てが基本が同じ口の形なのです。『口の空け方』で説明した形です。指2本をくわえたままアゴを動かさずに同じフォームで「あいうえお」と言ってみましょう。最初は上手く出来ませんがだんだん慣れると『あいうえお』に聞こえます。日本人が一番苦手な『イ』は『エ』の形で出来るだけ『イ』に聞こえる様に出します。『ウ』は『オ』の形で出来るだけ『ウ』に聞こえる様に発声します。また英語などは各母音に3種類くらいの出し方があります。1つ目は眉をあげ鼻に少し力を入れる。2つ目はまっすぐ出す。3つ目は胸にかけるが基本です。

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絶対に喉(あご)を締めない

 まずは指であごの下、あご骨の三角の部分の内側の柔らかい部分を上に押してみてください。自然な状態ですと指に上に押すと、舌も動くのがわかります。しかしツバを飲み込むと堅くなるのが解ります。これが喉を締めた状態で、絶対になってはいけない状態です。特に高い音を出す時に喉を締めてキーという感じで無理に出してしまう方が多いです。絶対に喉を締めないというのが正しい発声のためにとても重要です。またあごを堅いものを噛むように骨を噛み変えたり、前に出したりするのも良くありません。

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とにかく全身脱力

 ここでは声を出す際のフォームを説明します。足はだいたい肩幅、あとは楽な形で真直ぐに立ちます。形についてはあくまで自然体です。構えてはいけません。『腹から直に』の章でも説明しましたが、息をお腹のポンプから直に一瞬に出すには、お腹から口までの間に障害物を作ってはいけません。胸、首、あご、喉という息が出るまでの直線関係にある部分はもちろんですが、肩から腕にかけて、そして顔の筋肉、腰から足にかけても全身にまるで力が入らない状態をイメージしトレーニングする必要があります。声を出す0.01に必要な部分に必要な力が入れば良いのです。これはスポーツでも同様の事がいえます。しかし人間は何かをやろうとするとつい構えて無駄な力を入れていまします。寝る前など頭のてっぺんから、つま先までの全てのパーツを順々に脱力するイメージトレーニングなどをしましょう。イカやクラゲになった様に、またよっぱらいや気持ちよく寝ている時のイメージしてください。ピシっという姿勢でなく、全身のだらしなさが大切なのです。

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音程は横隔膜を使う

 いよいよ音程についてです。音程を上下させる際に注意するのは、喉やあごなどで音程をとらないという事です。喉やあごで音程をとると細かい音程などはとりやすいのですが、音が途切れてしまい滑らかなブレスではなくなり音楽的に良いサウンドは得られません。良く黒人のシンガーが細かい音程の歌い回しをしますが、ブレスは途切れずに滑らかです。それは横隔膜で音程をとっているからです。もちろんそれプラスであごや首で音程を動かすプロのシンガーはいますが、それはあくまで横隔膜で音程がとれてからのテクニックとなります。
 ここで横隔膜というものが出てきました。横隔膜は肺の下にあり臓器を上下に動かす筋肉です。身体の中の筋肉ですので殆どの人が自分の意思で動かす実感がないという人が多いですが、実はみなさんそれが横隔膜だと意識していないだけでしっかりと実感をして日常生活を送っています。臓器を動かす筋肉ですのでちょっと汚い例になりますがご了承ください。  
まず横隔膜を上にあげるのは、気持ち悪くて「オエー」ともどした時を想像してみてください。これの状態が横隔膜が上がった状態です。そして下げる状態は、本当に汚い表現なのですが、腸を上から横隔膜で下に圧力をかける状態。つまりトイレで大をする時の状態です。これが横隔膜を下に下げる状態です。
 そして肝心の音程との関連性ですが、基本的に音程を上に上げる時は横隔膜を下に、そして音程を下げる時は横隔膜を上に上げて音程を支えます。音程とは反比例の関係にあります。比例して動かすと苦しい感じの声になってしまいます。

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身体のどこに響くかかで音程を覚える

 もちろん音程を覚える第一の要素は耳です。しかし音程を低い音はお腹あたり、高い音は頭の上という様に音が響く場所で覚える事で、どの音程もより良い響きが得られ、更に伴奏やハモりなどにつられないで確実に音程をとる事も出来ます。そして手を音程に合わせて上下に動かし身体の響いてる部分かを確認するのも良い響きを得るために役立ちます。

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高音を出すための口のフォーム

 最初に申し上げます。よくボイトレは出ない高い音を出すためだと勘違いしている人がいますが、音域を拡げるというのはあくまでボイトレの一部にすぎず、そしてどこまで出したいかにもよりますが、そんなに難しくないジャンルです。
 高音についてのイメージとメカニズムです。よく天井の高い建物などで声を出すと高い音が響くのが解ります。高い音を出すためには高さが必要なのです。歌う場合は口の中の高さです。二つの方法があります。ひとつは口を大きく空けてあごを下げる。しかし解ると思います。口を大きく空け過ぎるとあごの下の柔らかい部分、喉が締まってしまいます。絶対に喉(あご)が締まってはいけません。あくまで口の開きは指二本分です。もうひとつの方法はほお骨より上の頭骸骨を上に上げる事です。ほお骨を下から親指などで上に持ち上げてください。そうすると頭蓋骨が上に上がり口の中の高さが増したのが解りますね。これが正解です。よく口の中にりんごが丸ごとはいった状態が目安といいます。
 しかし高い音を出す度にほお骨を指で上に上げていては不自由です。指で上げる代わりに筋肉であげます。よくわさびを食べ過ぎてしまった時の顔をするとちょうどよいといいます。顔の表情筋を使うと簡単に頬骨を上げる事が出来ます。鏡の前に立ちトレーニングしてみましょう。

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実際に出す際の身体のフォーム

 高音を出す際に意識するのは、自然体で楽な形で立つのは同じですが、響きのイメージとして音の高さにもよりますが、脳みそあたり、更に高い音程はつむじから音が出るという事をイメージしましょう。一番高い音程くらいで頭上20cmくらいを意識して、その位置を手を使い響いている場所を確認してください。よくある表現ですがスコーンと抜くのが基本です。前章で高い音は頬骨を上げるとありますが、身体全体を縦に伸すというイメージを持ってください。分りやすく高い音程を出す際に全身の背伸びをしながら出すというのも効果的です。横隔膜は下に伸してください。顔も縦に伸してください。そして喉(アゴ)が決して締めないよう。締めてしまう時には指で下から押してマーサッジをしながら行ってください。

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それでも出ない場合の裏技

 以上の方法で出ない理由にはいくつかあります。まずは悪いクセを持っているというのがあげられるかもしれません。ここではよくある2つの例を紹介します。もちろんこれ以外にも色々なケースがあります。
 1つ目、喉(アゴ)がどうして締まってしまう。この場合は逆のクセをつける事で治ります。喉(アゴ)が締まる理由として一番を高音を出す際に力で前に前に出そうとしてしまう事です。イメージとしては強く前斜め上の方向に力が入ります。そうすると喉を締めつてしまいます。気持ちは解るのですが、前斜め上ではなく、後ろ斜め上を意識してくださ。高音は前ではなく後ろに響かせます。(もちろんブレスは前に出ています。)そして高音になるほど身体と声の力を抜く。夏の終わり頃の夕方に遠くで虫が泣いているように、「ホッホッホッ」とちょうどノドの後ろのあたりで小さく音を出してください。その時も手は後頭部のあたりをかざし、ちょうど手のひらの位置で響いている事をイメージします。そしてそれが出来る様になったら後ろ斜め上を目掛けてロングトーンを出してみましょう。締め付けると伸びなかった音も後ろ方面に楽にだすと音が弱いながらに伸びる事が解ります。あとはトレーニングを繰り返すうちに使えるくらいに強い音になっていきます。
 2つ目は口の中の高さを更に大きくとるという方法です。結構の人はこれを無意識でやっています。しかし殆どの人はあごを上げるという間違った方法をとっています。しかしこれは半分正解なのです。高さをとるためには頬骨を上げるのには限界があります。それ以外は顔を斜め上、または斜め下に向ければ喉までの奥行きのスペースが縦に使えるのでありますので高さが増しますね?。プロのシンガーなどをテレビで見て高い音の時に後ろに反るって顔を上に見上げて歌っているのはそのためです。ただ重要なのは腰から曲げるという事です。顔だけを見上げたらあご下の肉はつっぱりノド(アゴ)が締まってしまいます。また顔だけを下げたら、あご下の肉が圧迫されてやはりノド(アゴ)が締まってしまいます。つまり腰から反るか、腰から曲げなければいけません。もちろんプロの様に腰から反り顔が上を見上げるかたちは正解なのですが、どうしてあごを上げて締めてしまう危険性があります。あえて初心者には腰からおじぎをする様に前に折り、顔を斜め下にする事をお勧めします。

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